プロジェクト

より良い建物をつくるために。GOOD PRODUCT AWARD 2026

社内の優れた建築事例を評価する「GOOD PRODUCT AWARD 2026」。今回1位に選ばれたのは、グレーと黒を基調としたシンプルな外観が特徴の賃貸集合住宅です。

色数を抑えた外観デザインやエントランスへのアプローチ、設備・配管の納まりなど、設計と施工の両面で工夫を重ねました。

本記事では、設計を担当した小谷亮太と工事を担当した中里好弘へのインタビューをもとに、物件の特徴と建物づくりの過程を紹介します。

■ グレーと黒で統一した外観デザイン

設計では、色数を抑え、建物全体に統一感を持たせることを重視しました。

外壁にはグレーを採用し、サッシや外構、水切りなどを黒で統一。竪樋も外壁に馴染ませるのではなく、あえて黒を選びました。配管としての印象を抑え、建物全体の輪郭を引き締めるためです。

エントランスへのアプローチにも工夫を加えています。

エントランスが行き止まり道路の奥に位置するため、暗い印象にならないよう、動線に沿って照明を配置。シンプルなデザインを保ちながら、温かみのある空間を目指しました。

小谷 亮太
建築本部 建築部 銀座設計課 銀座第2チーム 係長

「今回の設計で特に悩んだのは、お客様のご要望とデザイン、外構のバランスです。シンプルでありながら寂しい印象にならないよう、アプローチの雰囲気づくりには最後まで時間をかけました。

工事担当の中里さんにも相談しながら進め、設計の意図を現場で丁寧に形にしてもらえたことが、今回の仕上がりにつながったと思います。これからも、見た目だけでなく、住む方の暮らしを考えた設計を大切にしていきたいです。」

■ 見えにくい部分にも配慮した施工上の工夫

施工段階では、設備の配置や新しい仕様への対応など、細かな調整が必要となりました。

例えば、建物外部のメーターBOX周辺です。自転車置き場付近から道路側にかけて配管や設備の桝が集中していたため、設備業者と協議を重ね、地中配管の経路や桝の位置を調整しました。

設備としての機能を確保しながら、外観にも配慮した配置に整えています。

また、東京ゼロエミ仕様への対応や、新しいスクリーンパーテーションの施工にも取り組みました。断熱材の施工では、外壁の通気層を確保するため、スペーサーを用いた納まりを採用。スクリーンパーテーションについても、アルミ枠と壁の取り合いや建材の納期など、現場の課題に対応しました。

中里 好弘
建築本部 建築管理部 修繕工事課 係長

「今回の物件では、これまで経験の少なかった仕様も多く、施工方法や納まりの調整に苦労しました。特にメーターBOX周辺は、設備業者と何度も確認しながら、見栄えよく配置できたと感じています。

現場監督として33年間、大切にしてきたのは安全管理と、現場で働く職人の皆さんへの敬意です。新しい仕様に取り組む際も、職人の皆さんと施工方法や段取りを共有し、一緒に考えながら進めることを心がけています。」

■ 設計と工事、それぞれの視点を重ねて

一棟の建物を完成させるには、設計と工事の連携が欠かせません。今回の物件でも、お客様の要望や設計の意図を共有しながら、現場の状況に応じて調整を重ねました。

小谷は、工事担当の中里が設計の意図を汲み取り、現場の視点から提案してくれたことで、円滑に調整を進められたと振り返ります。一方、中里も、新しい仕様に対応する際には、設計担当者や協力事業者と納まりを確認しながら、施工方法を検討してきました。

設計で描いた計画を、現場でどのように形にするか。それぞれの専門性を生かしたやり取りが、今回の物件の完成につながっています。

■ より良い建物づくりに向けて

一棟の賃貸住宅には、設計や工事をはじめ、多くの社員と協力事業者が関わっています。今回の受賞物件も、それぞれの専門性を生かし、連携することで完成しました。

GOOD PRODUCT AWARDは、優れた建物を評価するだけでなく、社員の工夫や挑戦を共有する機会でもあります。

互いの仕事を知り、刺激を受け、高め合う。その積み重ねを、より良い建物づくりにつなげていきます。